居候は静かに息を潜めて生きる

部屋のドアを開けたまま私は

イヤホンでテレビを見ていて

面白かったからつい笑ってしまった

 

すると

恐ろしい形相で

旦那が様子を見に来て

何も言わずにドアを閉めて行った

 

私は思わず

ごめんなさい!と言った

 

大笑いしたわけではない

吹き出し笑いの最初の

ふっ!で

 

旦那はもちろんいつもの如く

大音量でテレビを見て

テレビに向かってまくしたて

テーブルを叩いてリズムをとり

飲んだビール缶を流しにズラッと並べ

大きなげっぷをしている

 

自分が静かなのが好きで

他の家族の出す音に敏感てわけじゃない

 

自分は構わないが

自分以外が許せないのだ

 

家族が幸せに笑う姿を

いいと思わなくなってしまっている

 

妻も

息子も

俺が食わしてやってる居候

俺の意にそぐわないようなら

いつでも出て行けばいい

 

ま、そんな感じ

 

これは家族ではない

 

家族ではないよ

違うでしょ

 

もうとっくに家族は崩壊しました